スペイン風邪からコロナを学ぶ

スペイン風邪からコロナを学ぶ

スペイン風邪からコロナを学ぶ

何かは言えません(コロナとかではないです)が、無事何事もなく終了しました。手伝っていただいたみなさん、ご相談にのってくださった先生方、心より厚く御礼申し上げます。また回ってきた先生方には全力でサポートしますので気軽にご相談ください。

さて、今回はスペイン風邪からコロナを学ぶと題しまして、過去の歴史から学べることはないか?と思いお話しさせて頂こうと思います。

スペイン風邪、なんか聞いたことあるけど、何かはよく知らないという方が大半だと思いますので、まずは概要から。スペイン風邪とは1918年から1920年に流行したA型インフルエンザの感染によるものです。ちなみに1918年とは第一次世界大戦直後です。こう聞くとすごく昔のようにも感じられますが、まだ100年経ってないと思うと今日本が平和であることがとても尊いものであると心から感じます。

脱線しました。またもう一つのキーポイント1918年から1920年に流行したというおよそ「三年間」続いたということも覚えておいてください。そしてA型インフルエンザ。今となってはインフルエンザなんて誰でも知っていますし、今年はA型?B型?なんて話も耳にしたことはあるかもしれませんが、もともとはA型とは鳥を中心に広がっていたウィルスで、人には関係ありませんでした。それが突然変異して人にも感染するようになり、大流行してしまったというわけです。少し前に鳥インフルエンザや、豚コレラなど聞いたことはあるかもしれませんが、「いやいや動物の世界の話でしょ?」と思われた方がいるかもしれませんが、人間も立派な動物です。突然変異したら人にも感染するリスクがあるので騒がれていたんですね。

そして感染者数は世界で6億人、死亡者数は2000万人から4000万人といわれています。日本では感染者数が2380万人、当時の日本人口が5473万人なのでおよそ人口の半数以上が感染、死亡者が22万人から38万人と言われている。まずこのことから言えるのは、世界の致死率は3~7%に対し、日本は1~2%と低い致死率である。しかしながら人口のおよそ半数が感染したという事実もあるということです。

また先ほど挙げた三年間で、およそ三回の波がきたといわれており、第一波の感染者数が2117万人、第二波は241万人、第三波は22万人と10分の1ずつ感染者は減っている。しかしながら、致死率に関しては第一波が1.22%、第二波が5.29%、第三波が1.65%となっており、第二波は感染者数は減っているものの、致死率は群を抜いて高くなっており、これはウィルスの型が変わったことが原因ではないか?とされています。以上がスペイン風邪についてのお話でした。

さて時は流れて現代、コロナコロナと騒がれて半年以上が経ちました。現在わかっていることとして、コロナウィルスが原因であるということ。半年たっても未だ感染者がいるということ。そして世界での感染者が3550万人、死亡者が104万人。日本では感染者が8.6万人で死亡者が1600人であるということ。死亡率で言えば世界が3%で、日本が1.9%であること。世界、日本ともに感染率は10%には満たないこと。型が変わりつつあるということがわかってきたということ。

先ほどのスペイン風邪と似ているところがあると思いますが、違うところもあります。それは感染者数と致死率。圧倒的にスペイン風邪よりもコロナの方が低いのはまだ「半年」しかたっていないからともいえます。今後、武漢型からヨーロッパ型、東京型なんて呼ばれ方もされていますが、どんどんウィルスは形を変えていきます。もしもスペイン風邪と同じ道をたどるのであれば、年明けに来る一年後あたりに第二波がやってくるのでしょう。そして感染者は低いでしょうが、致死率は高くなる可能性があります。

もちろん、これはスペイン風邪の話です。絶対に同じことが起きるかなんて誰にも分りません。ただ、今現在収束に向かいつつあるという話が取りざたされていますが、第二波第三波があるかもしれない。収束するには三年くらいかかるかもしれない。昔よりも、技術は発展していますが、昔よりも人の往来が多くなっています。一刻も早い収束を願うとともに、確かで間違いのない情報収集を行ってください。

最後に、上に挙げた写真ですが、1918年の物です。昔からこんな対策がされていたんですね。昔の人はすごいなぁと思うのか、今と昔は何も変わらないなぁと思うのか。それではまた。

                      歯科医師 河合鮎樹

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