有難う②

有難う②

さて、ありがとうを言わないことがかっこいいと思って、スタッフから見放された僕は果たしてどうなるのか!?続きます。

「世の中には言葉というものがある。そして言葉には魂があり、言霊なんて言われることもある。いくら思っていても、言葉にしなければ伝わらないんだよ。だって何十年連れ添った妻の考えていることですら、全くわからないんだから」とジョークを交えて教えてくださいました。そこで僕はやっと気が付くんですね。考えていても相手には伝わらないという当たり前なことに。今思い返すだけでもぞっとします。

例えばこんなこと思ったことないですか?「ご飯おいしかったよと言わなくても、全部残さず食べていたらそれはおいしかったってことだろう」とか、「毎月この週のこの日は○○さんと会うから、ご飯はいらないし帰りも遅くなるってのは言わなくてもわかるでしょ?」などなど。そりゃあ何も言わないで伝わればかっこいいですよ?でも黙ってたら何も伝わらないんです。長年連れ添った家族でもわからないんです、一年も満たない付き合いのスタッフになんてわかるはずもありません。

それ以降、言葉は足りないことはまだあるとは思いますが、僕はどんな些細なことでも、何かしていただいた時には必ずありがとうと伝えるようにしています。ありがとうと言われて悪い気持ちになる人はいないでしょうし、そしてなにより自分がやっていたことは間違っていなかったんだという安心にもつながります。

コロナにより、ネットを見る頻度が前よりも増えている方が多いと思います。ネットに書き込むのも人間ですし、それを読むのも人間です。悪口を言われれば人は傷つきますし、嫌なことをされれば、不快になります。ありがとうと言われれば、人は喜びますし、いいことをされれば人はうれしくなります。こういった当たり前のことが当たり前にわかる人間でいたいと思います。それではまた。

                     歯科医師 河合鮎樹 

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