マスク

マスク

マスク

上の画像にもあるように、今回はユニクロ様からマスクを頂きました(巷で話題のユニクロマスクではありません医療用です)。本当に様々な企業の方からマスクやハンドジェルなどを寄付していただき、心より感謝申し上げます。

今回はこのマスクが与える社会の影響についてお話ししたいと思います。もともとマスクは歯科では必ず使われているものです。なぜなら歯科治療というものは、唾液はもちろん、血液、金属粉など様々なものが飛び散ります。これを介して感染というものが起きるため、顔の中で一番大きな粘膜がある口は一番の感染源であり、守らなければいけない場所になります。そのために一番有効なのがマスクなんですね(眼も粘膜なのでメガネ、ゴーグルなどをします)。マスクをすることで自分が感染することを防いでおります。

これだけ聞くと「結局自分のためじゃん!!」と思われるかもしれませんが、僕が感染してしまうと医院を閉めなければいけません。そうなるとスタッフに給料が払えなくなってしまう。それだけなら僕が借金すればいいだけですが、患者様にもかかわってくるところがあります。いろいろな感染症というものは潜伏期間というものがあります。つまり、ウイルスや菌に感染したとしても、すぐに発症するわけではないんですね。なので、自分が感染したとしても数日間は無症状のまま過ごすことになります。この間、僕がマスクもせずにバンバンくしゃみや鼻水をまき散らしていたら患者様が感染してしまう恐れがあります。なので自分を守るということは患者様を守ることにもつながるのです。これはコロナよりずっと前、僕が歯科医師になったときから行われている当たり前の行為です。

しかし、コロナ前とコロナ後で大きく変わったことが一つあります。僕は前に務めていた医院で、院長に

「患者様とお話しするときは、マスクをとって話しなさい」

と教わってきました。なぜかというとマスクをしたまま会話をするのは「失礼にあたる」と言われていたためです。さらにマスクをしたままだと、耳の遠い方などは声が聞き取りにくいでしょうし、またマスクは人に威圧感を与えます。これは歯医者が怖いと思っている方が多いからともいえますが、顔の半分を覆うマスクは相手の表情がわかりにくい。つまり、相手が何を考えているのかがわからないんですね。だから「怖い」と感じやすいのだと思います。なので、声掛けなど、治療の前に軽く伝える程度だったら問題ないのですが、治療の前の挨拶や、治療の後の説明などは必ずマスクを外して会話をするようにと教育を受けてきました。

(ここからが皆さんの生活にかかわってくる部分です)しかし、コロナの流行により、マスクをして会話をすることが「当たり前」になってきました。むしろマスクをしないで会話をすることの方が「不信感」をもってしまうようになりました。そうなると、先ほどの話が弊害となってくるんですね。つまり、声がこもりやすいので耳の遠い方に聞き取りづらい、相手の表情がわからないので怖いと思われやすい、などです。さらにソーシャルディスタンスを保って会話をしようとするとよりわかりづらいです。ですので、マスクを着けたまま会話をするときは少し大きな声で(あくまで少しです)、なるべく声のトーンを上げて、目線で笑顔ができるようにしてみると相手によりいい印象を持たれるのではないでしょうか?以上、マスクをつけての会話のマナー講座でした。それではまた。

                      歯科医師 河合鮎樹

一覧に戻る