アスベストと歯科

アスベストと歯科

だんだん暖かくなってきて毛布をしまうかしまわないか、なかなか決断できない今日この頃です。

さて今回はアスベストと歯科と題しましてアスベストのお話をさせていただきたいと思います。

皆さんアスベストってきいたことありますでしょうか?アスベストとは非常に細かい繊維でできており、かつ安価であったことから断熱性、耐火性、防音性、絶縁性、酸やアルカリにも強く丈夫で変化しにくいということから様々なところで広く使われてきました。主に建築資材として使われ、ビル、学校、病院、一般住宅、プラットフォームなど幅広い場所で使われてきました。

しかし、その繊維が細かすぎるため、研磨剤や切断機などで削ってしまったときアスベストが俟って人に吸引してしまうことがありました。すると人の肺胞に沈着しやすい特徴があるため長く使われてきましたが昭和50年に原則禁止、平成18年に全面禁止となりました。

そんなアスベストですが、歯科でも使われていた過去がありまして、患者様には影響がなかったのですが、使われていたのは歯科技工の分野。金属のかぶせモノやつめものを作る際に鋳造という工程を行うのですが、そこでアスベストリボンというものが使われていました。僕が大学に入ったときにはもう全面禁止になっていたためどういったものなのかは見たことがないのですが当時の歯科医師や歯科技工士は吸引してしまっている可能性があるそうです。アスベストはばく露後30年から40年と長い期間の潜伏期間があるため当時使われていた方は健康被害にあう可能性があるそうです。

今回はあまり患者様に直接関係のあるお話ではなかったのですが、今後も社会の変化に対応し、情報を常にアップデートして適切に対応していきたいと思います。それではまた。

                      歯科医師 河合鮎樹

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