子供の虫歯増えてる?減ってる?

子供の虫歯増えてる?減ってる?

残暑というには長すぎるのではないかという月になりましたね。今年はいつまでクーラーをつければいいのでしょうか?

さて今回は子供の虫歯が増えてる?減ってる?と題しまして、12歳児の虫歯の罹患率を調べてみました。日本には学校保健統計調査というものが昭和59年からありまして、この令和3年度版が結果が先日発表されました。早速結果ですが、12歳の永久歯の一人当たりの平均虫歯等数は

0.63本

でありました。なんと、一人に一本はないくらいの数字なんですね。でもこれって多いの?少ないの?と思われると思います。なので縦列になりますが、過去の日本のデータと比べると、令和2年度は0.68本で0.05ポイント減少、調査開始時の昭和59年は4.75本ということで、開始以来ずっと減少を続けているんですね。これって歯医者すごいじゃん!!って言いたいところなのですが、頑張っているのはその時その時の親御さんになります。どんな時も歯磨きを欠かさず、歯医者に通わせつづけた結果がこのような素晴らしい数字として出ているのだと思います。本当に毎日お疲れ様です。

そして先ほどは本数のお話。乳歯も含めた虫歯になったことのある数はというと、

幼稚園(5歳)が令和2年度の30.34%から26.49%

小学校(6~11歳)が令和2年度の40.21%から39.04%

中学校(12~14歳)が令和二年度の32.16%から30.38%

高等学校(15~17歳)が令和二年度の41.66%から39.77%

にそれぞれ減少しており、すべての学校段階において調査開始時よりも減少傾向が続いています。これも日々の親御さんの成果だと思います。

つまり虫歯の数はどんどん減っており、かつ数字は割愛させていただきますが、未処置歯(治療していない歯)の数もすべての学校段階で過去最低を示しております。ここから私が思うに、コロナの影響はそこまで子供さんの虫歯に関しては大きく影響していないのではないか?ということです。つまり不要な外出は控えろと言われていた去年でも、子供の虫歯は治そうと行動された親御さんが多かった結果だと思います。もちろん去年とそれ以前の比較になるので今年の結果はどうなるかはわかりませんがお子さん一人一人に対するお口への関心が高くなっていることは本当に喜ばしいことではないかなと思います。

昨今、子供に対する悲しいニュースが続きます。こういったニュースばかり見ていると、最近の親は何をやっているんだ!!と思われる方も多いと思います。もちろん一つ一つの悲しいニュースに胸を痛めることはわかりますが、今回のデータからもわかる通り、親御さんのお子さんに対する愛は素晴らしい結果を示しています。よくなりました、改善されましたというニュースよりも、悪くなりました、悪化しましたというニュースのほうが目を引くのはわかりますが、ぜひともいいところにも目を向けていただけらと思います。お子さんの未来は明るいですよ。それではまた。

                      歯科医師 河合鮎樹

一覧に戻る