なんで歯科検診義務化になると医療費が安くなるの?
最近、ブログが更新できずすみません。さて今回は最近話題の歯科検診義務化についてお話ししたいと思います。
まずはタイトルにある「なんで全員歯科検診を受けると、医療費が安くなるの?全員歯医者に行ったら歯医者が儲かるだけじゃん!!」
という意見が多いと思います。まずはここからお話ししたいと思います。では車のお話をしましょう。昨今車を持たない方が増えてきているので、伝わらない方も見えるかもしれませんが、車というのは数年に一度、「車検」というものを受けなければなりません。これは国が定めている義務です。車検を通していない車が公道を走ると捕まってしまうからです。なので車を持っている人は身を削る思いで車検のお金を払うんですね。みんなつかまりたくないもんね。じゃあなんで、車検って義務化なんでしょう?少し考えてみましょう。買ったばかりの新車。三年しかたってないのに悪くなっているはずがないですよね?でももし、タイヤが外れてトラックとぶつかってしまったら。ブレーキが利かなくて人をひいてしまったら。ぞっとしますよね。なので問題がなくても、定期的に点検を受けることで、タイヤが外れたり、ブレーキが利かないなんてことが極力起こらないようにすることができるわけです。そうすることで、車が原因で、人をひく可能性、トラックとぶつかる可能性がぐっと下がるわけですね。でも気持ちはわかります。数百万円払った車なのになんでさらにお金を払わないといけないんだ。よくわかります。しかし、ずっと使っていけば必ずどこかにガタが来る。それが大きな事故につながってしまったら取り返しがつかないですよね。つまり大きな事故を減らすために費用を払うということになります。
さて話は変わってお口のお話。私は毎日三回必ず歯を磨いているので、絶対に虫歯や歯周病は絶対ないです。という方がいたとします。もちろん、歯磨きは虫歯や歯周病の予防には必須のものになりますので素晴らしい習慣だと思います。しかし、虫歯や歯周病になったしまった場合、歯磨きをするだけでは治らないんですね。がんになってしまったら、いくら健康的な生活を送っていても治らないのと一緒です。では虫歯や歯周病と診断できるのは、歯科検診を受けるしかないんですね。もちろん毎日三回必ず歯を磨いている方は虫歯や歯周病の可能性は低いと思います。しかし、先ほどの車の話ではないですが、もし万が一タイヤが取れてしまったり、ブレーキが利かなくなってしまうことがあるかもしれません。これを防ぐために車検を行うんでしたね。これと同じです。もし万が一歯周病や虫歯があるかもしれません。これに気が付かないと、最悪の場合、歯がなくなってしまう可能性があります。なので、事故にあわないために起こさないために車検を受けるように、歯がなくならないように歯科検診を受けたほうがいいということになります。ここまでは何となくですがわかっていただけたでしょうか?
いやわかったけど、結局は歯医者が金儲けしたいだけでしょ?についてお話ししたいと思います。もちろん国民全員が年に一度、検診を受けるとなると一時的には払うお金が増えます。さらに虫歯だー、歯周病だーと難癖をつけられてさらに治療費がかさむかもしれません。そこに数千円、まぁその後治療したとして一万円払ったとしましょう。そこで虫歯や歯周病がないこと、または治療して治ったことを確認することができました。このことにより、今後歯がなくなるリスクがぐっと低くすることができたと思います。では検診に行かなかった場合、もちろん毎日三回必ず歯を磨いていたら虫歯や歯周病になっている可能性は低いと思います。しかしもしなっていた場合、それを発見することはできません。するときっと歯が痛くなってくると思います。そうなってから治療を行うとすると神経をとるような治療になったり、歯を抜かないと治らないような治療になってしまうかもしれません。そうなってしまうと、費用が数万から数十万、インプラントを複数するとなると数百万かかるかもしれません。そして当たり前ですが、いくらインプラントが優れているとはいえ、ご自身の歯にかなうものではありません。自分の歯でお食事をとるのが一番いいに決まっています。つまり、金銭的にも考えて、数千円払ったとしても、数万円から数十万円払うリスクを減らすといった意味では歯科検診を受けていただいたほうがトータル的に費用は少なくて済むという話でした。
いろいろ話しましたが、最後に、日本は国民皆保険です。必ず皆さんどこかしらの保険に入っているはずです。収入によって負担金額は様々ですが、数千円から数万円を毎月支払っているはずです。ではみなさん、なぜそのようなお金を払っているのでしょうか?そうですね。医療を受けようとしたときに、全額負担だと高すぎるから、7割引きで(年齢によって変わりますが)医療を受けられるチケットを買っているわけです。せっかく7割引きで受けられるチケットがあるのに使わないのもったいなくないですか?もちろん毎日、すべての医療機関を順番に巡ってと言っているわけではありません。数万円かかる年パスを買っているのであれば年に一度くらいは使ってみてはいかがでしょうか?それではまた。
歯科医師 河合鮎樹