スペイン風邪からコロナを学び…

スペイン風邪からコロナを学び、マラリアを伝える完結編

豪雨が続きました。皆様の地域は大丈夫でしたでしょうか?大切なものがすぐに取り出せるよう準備をしていきましょうね。

さて前回に引き続きマラリアのお話をしていきたいと思います。

前回、新石器時代からマラリアは存在したというお話しをさせて頂きましたが、古代エジプトでも存在が確認されています。それはなんとミイラの研究からわかったそうです。研究ってすごいですね。そして、文献にも蚊帳が用いられていたみたいで、一説によるとクレオパトラも蚊帳の中で寝ていたそうです。続きて古代ギリシャでも、ヒポクラテスがマラリアの発熱の周期性を記録していたりだとか、古代中国でも「黄帝内経」という文献に脾臓の主張とそれに関連した周期的で発作性の発熱とその流行について記載があるみたいです。

古代インドでは高温多湿なことから、ガンジス川周辺で蔓延が確認され、地中海付近では致死性の高い病気として「ローマ熱」などと言われていたそう。そんなローマ熱により多数の死者がでて、ローマ帝国の崩壊の一因になったのではないかともいわれています。

そして中世になり、どんどんマラリアは拡大、イングランドや日本にも蔓延したとの記録があります。かの有名な源氏物語にも、光源氏がかかった病気との記載があるそう(知らなかったー)。

そんなマラリア、昔は「ミズアマ(瘴気)」が原因と言われており、蚊との関係にはまだ気づかれていなかった。そもそもマラリアの語源は中世イタリアの言葉で、「湿地や深いから立ち上る悪い空気」という意味だそう。そして、治療法も全くわからず、当時は瀉血や吐剤など行われていたそう。そしてやっと18世紀になって、ペルーの先住民がキナノキの木(この木何の木みたい)の粉末を熱病の治療に用いていることをスペインの宣教師が発見し、それがのちに有効であるということがわかった。

その後、1880年にシャルル博士がマラリア原虫であることを発見。熱帯熱マラリア、四日熱マラリア、三日熱マラリア、卵型マラリア、サルマラリアの5つつあることがわかり、うち最も多いのが三日熱マラリア、悪化しやすいのが熱帯熱マラリア(コロナのデルタ株みたいですね)。

初期症状としては40度を超える高熱、悪寒と震え、頭痛、筋肉痛、関節痛など。重症化すると意識障害、低血糖、腎障害、多臓器不全となり死に至ります。特定方法としては採血を行い顕微鏡にて原虫がいたら確定診断(顕微鏡みて虫いたら恐怖でしかないですよね)、早期発見により、薬にて対応できるそうですが、薬剤耐性マラリアも発見されているそう(菌、ウイルスの常ですね)。近年ではDDTなどの殺虫剤が開発され、都市部などでは効果をあげている。しかしながら第二次世界大戦では南太平洋、東南アジアで戦った日本兵が感染し、薬品や食品が途絶えがちになり大量の戦死者がでたそうです(戦争はこんなおそろしさもあるんですね)

現在でも熱帯、亜熱帯地域では蔓延が続いており、2018年の統計では年間になんと二億二千万人が感染し、45万五千人が亡くなっているそう!!(全く知りませんでした)。現代の対策として、蚊は産卵できるメスだけが血を吸うので、不妊雌を放つことで対策がなされているそうです(なんだか、うん、すごいことしてるね)

以上長くなりました、マラリアのお話でした。もちろんコロナは怖いですけれども、マラリアも年間二億人以上感染して45万人も亡くなっている病気だと考えると、いろんな病気に気を付けなければいけませんね。以上左腕を蚊にされたところを搔きながらお伝えしました。マラリアでありませんように。それではまた。

                      歯科医師 河合鮎樹

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