死亡率8.8倍
先日先立って一回目のワクチンを打ってきました。注射自体は全く痛くありませんでしたが、やはり強い筋肉痛のような状態が一日続きました。今は全く問題ありません(個人の感想ですのであしからず)。二回目も打ったら、感想をお伝えします。
さて今回は死亡率8.8倍という少し過激なタイトルにさせて頂きましたが、いったい何の死亡率なのか、お話ししていきたいと思います。
少し古いのですが今年の2月1日に歯周病学会が「歯周病とコロナの重症化との関連」についての論文を発表しました。それが上記にあるデータなのですが、まず歯周病でない方がコロナになり、重症化した割合は2.3%に対し、歯周病の方の重症化率は12.8倍でした。ほぼ六倍で重症化しやすいとも言えます。
また歯周病の方がない方に比べて、
合併症発症の可能性が3.6倍
集中治療室に入院する可能性が3.5倍
人工呼吸器を使用する可能性が4.5倍
そして
死亡する可能性が8.8倍
となります。
さらにはまた別の研究にはなりますが、口腔細菌による食道がんのリスクは32.8倍になるという研究データもあります(oral infectious bavteria in dental plaque and saiva as risk factors in patients with esophageal cancer cancer.2021 feb 15)
つまり歯医者に行かないよりも、行く方がコロナで死なないということになります。
「別に歯医者に行かなくてもちゃんと歯磨きすれば歯周病は治るでしょ」と思われる方もいるかもしれません。しかし、歯周病は癌や肺炎などと同じ立派な疾患であり病気です。絶対に放置して治るものではありません。ちゃんと歯磨きすれば歯周病を「予防」することはできますが、一度罹患した歯周病はしっかりとした治療が必要になります。一度歯医者に行ったらコロナになると言ってしまった手前、マスコミはコロナにならないために歯医者に行こうとは言えません。一度病気を治したうえで、しっかりと予防を行い、コロナにならないよう対策をしていただけたらと思います。それではまた。
歯科医師 河合鮎樹