歯医者さんを目指すあなたへ

歯医者さんを目指すあなたへ

歯医者さんを目指すあなたへ

ゴールデンウィークで4日も休んでいると、休みボケしていないかなといつも不安になるのですが、いざ仕事が始まるとガラッと仕事モードに移れるものですね

さて今回は「歯医者さんを目指すあなたへ」と題しまして、歯学部を目指す方へ知っておいてほしい事を少しまとめます。あまりためにならないかもしれませんが、少しでもお役に立てたらと思いますのでよろしくお願いします。

まずは歯医者さんに興味を持っていただいてありがとうございます。あなたがどのような理由で興味を持って下さったかはわかりませんが、とてもうれしく思います。今からすこーしネガティブなことを書きますが、間違いなくやりがいのある仕事だと思いますので是非とも歯学部に入学されることをお勧めします。

さて前置きが長くなりましたが、本題です。まず最初にお話ししたいのが、公立?私立?問題です。結論から言えば行けるのであれば公立をお勧めします。後述しますが、歯医者になるには国家試験に合格しなければいけません。この国家試験の合格率が公立と私立で大きく違うんですね。いろいろなサイトでこの学校別合格率は掲載されているので割愛しますが、おおむね上位が公立、下位が私立になります(くれぐれも学校の教育レベルが高い低いといっているわけではありません)ですので単純に確率で話せば、公立に行った方が合格率が高くなりますので公立をお勧めしています。次にお金の問題です。歯学部は他の大学と違い六年間もあります。その分ほかの大学より卒業までにかかる金額がかかるんですね。六年間で公立だとおよそ数百万(後半の値)、私立だと安くても数千万かかります。ここで気になるのが、遠くの公立、近くの私立問題ですが、この金額を見てわかる通り、下宿代を含めたとしても圧倒的に遠くの公立の方が安いです。ですので、「私の娘は絶対に実家から通わせる!!」という親御さん以外は遠くても公立に行った方がいいということになります。ちなみに僕はアホだったので、私立に行かせてもらいました。心から親に感謝しています。

次にお話ししなければならないのが留年問題です。これはあまり話されていないところになりますが、どこの大学も必ず留年があります。これは大学によって大きく違ってくると思うので一概には言えませんが、私の学生時代の話だと一学年上がるのにおよそ10%留年します。それが六年間続くので、入学したときのメンツが卒業式にいるのはだいたい半分になる計算になります。つまり学年の半分くらいの順位にいないと留年する可能性が高いということでもあります(厳密には留年してくる人がいるので違いますが)。そしてまたお金の話になりますが、一度留年すると当然ですが一年分余分に学費が発生します。僕の母校だとおよそ一年間で400万強学費がかかります。今から400万余分に稼げと言われたらぞっとしますよね。この金額も公立と私立で大きく変わってきます。一年の代償というものはお金がすべてではありませんが、お金基準で言えば公立の方がダメージが少ないとも言えます。ちなみに大学生活の勉強量ですが、ほかの大学に行ったわけではないので比較のしようがありませんが、正直しんどいです。僕の大学受験と比較しても、確実に大学の一年一年の方が勉強していたと思います。勉強が嫌いじゃない方は問題ないと思いますが、勉強が嫌いな方は覚悟して入学された方がいいです(失礼ですが親御さんが歯学部でないのであれば大学の時の経験は全く違うものになると思います)。

後、地味に大切になってくるのがコミュニケーションです。今は違うかもしれませんが、僕の学生時代の話をすると、毎年試験問題を作るのは各分野の教授が作ります。そして当然毎年教授が変わるわけではありません。つまり教授ごとに出題する問題や傾向が偏ってくる場合があります(これは経験談であり絶対ではありません)。ですので過去問というものが大切になってくるんですね。この過去問はどこからともなくこっそり流れてきます。この情報を持っているか否かで試験に対する対策が変わってくるので周りの人、先輩後輩とは仲良くしましょう(ただ卒業して十年以上たつので今がどうなってるかはわかりません)。

さて、無事卒業を迎えることができたあなた、おめでとうございます!!

国家試験を受ける権利を得ることができました!!

そうなんです。卒業したからといって国家試験に合格しなければただの歯に詳しい一般人です。最後に国家試験についてお話しします。国家試験は二日に分かれて行われ、A問題、B問題を一日目(基礎問題)、C問題、D問題を二日目(臨床問題)に行います(これも僕の時の話で毎年細かくルールが変わってきています)。そしてなぜか資格試験なのにもかかわらず、上の表にある通り合格率が65%でそろっています。歯科医師として必ず具有すべき知識及び技能を有していることを重視するため相対基準を設けているそうです。

話を戻します。つまり入学してからストレートで国家試験に合格する確率は、90%の六乗×65%がおおよその値になります(たぶん34%)。この数字が高いと思うか低いと思うかはあなた次第ですが事実です。ちなみに僕はこの事実を全く知らないまま入学しました。もちろんしっかり調べなかった僕が悪いのですが、これから歯学部を目指す人に少しでも知っておいてもらいたくて今回のブログを書きました。

かなりマイナスなことばかり話してしまいました。もう歯学部に行くのが嫌になってしまった人もいるかもしれません。ただ冒頭にもお話しした通り、

とてもやりがいのある仕事です

つらい試験だからこそ、合格したときの喜びはひとしおですし、合格してしまえば何回留年しようが同じ歯科医師です。僕自身も国家試験の勉強をしている時に「なんでこんなつらい思いをしてまで歯医者にならなきゃいけないんだろう」と思っておりましたが、いざ歯科医師という仕事をして、今、思っているとことは「ああ、歯医者になってよかったな」と思っているということです。

少し前に10年後なくなる職業ランキング?の一位が歯科医師だったそうです。しかし10年後、地球から歯科医師が一人もいなくなったら人類は確実に滅びます。人類滅亡を防ぐため、是非とも歯医者になっていただけることを切に願います。それではまた。

                      歯科医師 河合鮎樹

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