ひょんなことから日本で一番スペイン風邪に詳しい歯科医師を目指すことになった話 その②
さて今回は「ひょんなことから日本で一番スペイン風邪に詳しい歯医者を目指すことになった話」第二弾をお送りしたいと思います。まだご覧になってない方は前回のブログを読んでみてください。それではどうぞ!
そして年が明けて「2020年」が来た。コロナ到来である。一月二月は大きく影響が出なかったが、当院で一番影響が出たのが四月ごろだった。オープンして過去最低の来院数を記録した。なんとかスタッフみんなで頑張って達成した黒字も、数十万の赤字に転落した。頭を抱え、この先スタッフを食わせていけるのであろうか?不安な毎日を過ごした。ところで皆さん覚えているだろうか?
去年の三月ごろに行われた、マスコミによる連日の歯医者叩きを。
どこのニュースも、新聞も連日「歯医者に行くとコロナになる」というニュースを報道した。はじめは無視をしていた。なぜなら歯医者はよくマスコミから叩かれる職業だからだ。痴漢をすれば「歯医者が痴漢」、ひき逃げをすれば「歯医者がひき逃げ」、脱税をすれば「歯医者が脱税」。もちろんすべてやってはいけないことだし、歯科医師とは常識人であるという皆様の信頼を裏切っているのだから心から反省すべきだと思う。しかし今回はわけが違う。きちんとしたエビデンスもなく(エビデンスとは科学的根拠という意味です。アメリカの新聞記事はエビデンスではありません)、人の口の中を触る職業だからというだけで、
歯医者は世界で一番コロナになりやすい場所となった
そして患者様からこんな言葉を頂いた。
「こんなときに来てごめんなさいね」
とても悲しくなった。なぜ患者様が歯が痛くて歯医者に行くのに謝らなければならないのであろうか?歯が痛いことは不要不急なのであろうか?そして、
なんで歯医者に行ったらコロナになるなんて言われなきゃいけないのか?
2021年三月現在、未だに歯科医院を通じてのコロナ感染の報告はありません。言い換えれば
歯医者は世界で一番コロナになりにくい場所
であるともいえます。これはコロナなんかが流行るずっとずっと前から先々代の歯科医師の皆様がエアロゾル感染なんて言葉が出るずっと前から感染対策の重要性を説いてきたからです。我々歯科医師は、虫歯菌、歯周病菌をやっつけることが仕事です。感染の怖さは誰よりも勉強しています。皆様も安心して歯科医院に行ってください。
脱線しました。そんな言われっぱなしではいけないと思い、「歯科医師という仕事」というブログを書いた。これがなかなか同業者から評判を頂いて、母以外にもブログを読んでくれている人がいるんだと少しうれしくなったのを覚えている。そしてコロナ関連の記事を少しずつ書くようになった。口腔ケアをしっかりすることでコロナを予防できるよ。歯医者は安全な場所だよ。ブログには「いいね」とかがないため、だれが読んでくれているのかはわからないが、とりあえず続けることが大切だと思い、いろんなことを調べてはブログを書いてを繰り返していった。
そして2021年3月、先ほどのお手紙を頂いた。
さて今回はここまでになります。次回最終章お楽しみに。それではまた。
歯科医師 河合鮎樹