唾液ってすごい

唾液ってすごい

先週は雪が降ったり、暑かったりで変な一週間でしたね。

さて今回は唾液の性能と題しまして、唾液にはどんな効果があるのかお話ししたいと思います。

皆さん、「つば」とか「よだれ」とか聞くとあまりいいイメージを持たれない方がみえると思います。また今の時代、「くしゃみ」をしても唾液が飛び、コロナ感染のリスクとなりますので唾液=悪いものととらえられている方もみえるかもしれません。

しかし、実はこの唾液、あなたにとってとても大切なことをめちゃくちゃしているんです!!唾液って何のためにあるのでしょう?ちょっと考えてみてください。

 

 

 

ではひとつづつ説明したいと思います。

①潤滑作用 これはイメージされた方も多いのではないでしょうか?唾液があると口の中が潤うんですね。潤うことで発音をしたりだとか、頬や舌を動かすことができるんですね。

②洗浄作用 これもイメージがつきやすいですね。口の中に食べかすなどが詰まっていたりすると、唾液がそれを流してくれます。

③粘膜保護作用 これもなんとなーくイメージがつくとは思うのですが、唾液があることで、とがった食べ物(ポテトチップスやスルメなど)が頬っぺたに突き刺さらないようになっているんですね。

④粘膜補修作用 ③に付随して、もしも傷つけてしまった場合でも、唾液がある程度は治してくれるんですね。なので擦りむいたところを舐めておけば治るは自分の口の中に関してはあながち間違いではないのかもしれませんね。

⑤食塊形成作用 これは少しイメージしにくいと思うのですが、パンを食べるときってなかなか飲み込みづらくありませんか?その時にはおそらく何か飲み物を含んで飲み込むとは思うのですが、この時飲み物はどんな作用をしているのかというと、食塊を形成する手助けをしているんですね。つまり、食べ物をすりつぶして飲み込む前の状態を食塊というのですが、この状態にするために唾液が必要ということです。そしてパンは食塊にするのに唾液を多く使うので、唾液が足りない方は補助として飲み物が必要になることが多いということになります(わかりづらくてすみません)

⑥消化作用 ここからはなかなかわかりにくい分野になるのですが、唾液にはアミラーゼという分解酵素があります。この酵素は糖質を体に取り込むために必要なものになります。つまり消化を手助けしているんですね。

⑦抗菌作用 え?唾液がコロナを移すのに抗菌作用なんてあるの?と思われる方もみえるかもしれませんが、世の中にはコロナ以外にも、何億種類という菌やウイルスがいます。そしてその菌やウイルスたちを唾液にある、ラクトフェリンやリゾチームなどがある程度はやっつけてくれるんですね。唾液すごい!

⑧緩衝作用 これもなかなかわかりずらいのですが、酸っぱいものを食べると口の中が酸性になります。でも気がついたら酸っぱい感じはなくなってますよね?これは唾液に緩衝作用というものがそんざいして、酸性を中和してくれているんですね。唾液またしてもすごい!

⑨再石灰化作用 これは聞いたことがある方が多いのではないでしょうか?やっと歯医者っぽい分野になりますが、話すと長くなるので簡単に言うと、砂糖を食べた虫歯菌が出すうんちが歯を溶かしてしまって虫歯になります。そのうんち(酸)を初期段階であれば唾液が修復してくれることを再石灰化といいます。ただし穴が開いてしまうような深い虫歯になってしまったら自然に治ることは無いので歯医者さんに行きましょう。

ざっとですが、9種類の唾液の効能についてお話ししました。こんなにも素晴らしい作用があったんですね。冒頭にも書きましたが、コロナによって唾液は完全に悪者になってしまいましたが、唾液があるから助かっている部分がこんなにもあるのです。やっぱり唾液ってすごい!!それではまた。

                      歯科医師 河合鮎樹

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