コロナになるとなぜ死ぬのか?②

コロナになるとなぜ死ぬのか?②

コロナになるとなぜ死ぬのか?②

往診車が真っ白です。

さて前回はウイルスの感染と発症についてお話しさせていただきました。まだの方は前回のブログからお読みになっていただけると幸いです。

そして今回は「発症」についてお話ししたいと思います。コロナから少し話は逸れますが、発症についてわかりやすくするために今回はHIVについてお話ししたいと思います。僕がHIVと聞くと思い出すのが、昔見た「神様もう少しだけ」という金城武と深田恭子のドラマです。すこしだけ調べてみたのですが、1998年に放映されて(僕が1985年生まれなので当時13歳)、平均視聴率が20%を超えた大人気ドラマだったんですね。ほとんど内容は覚えていないのですが、子どもながらHIVになると最後は死んでしまうんだという強烈な印象があります。今もそんな印象を持たれている方も多いと思います。しかし時は流れて今は2021年。あのドラマから実に23年の月日が流れています。あの深田恭子の死を悲しみ、医者を目指し、HIVを治すんだと立ち上がった少年少女が素晴らしい特効薬を開発してくれました(とても大きな語弊がありますことをお許しください)それはHIVの「発症を抑える」というお薬です。もうHIVは早期発見すれば死に至る病ではないんですね。

話が大いに逸れましたが、ここで本題の「発症」のお話です。ここがちょっとややこしい話なので、松田優作の何じゃこりゃ!!で説明したいと思います(僕は35歳です)。よく銃に撃たれて死ぬというシーンがあると思うのですが、これをしっかりと因数分解すると銃に撃たれて、動脈が裂傷し、出血多量になり、心肺停止となります。同じようにHIVで因数分解するとHIVに感染し、体内で様々な症状が確認(日和見感染や悪性腫瘍など)できたら、エイズ発症となり、そのまま放置し、日和見感染や悪性腫瘍が悪化して、死亡となります。ですので、松田優作の場合、撃たれても防弾チョッキを着ていたら動脈が裂傷しないので出血多量にはなりません。また出血があっても、すぐに止血ができれば心肺停止にはなりません。深田恭子の場合では、HIVに感染しても、発症を抑える薬を飲めば、エイズにはなりません。またエイズになったとしても、それぞれの症状の治療(日和見感染や悪性腫瘍など)を行えば死にません。(お二方の名誉を傷つけるものではなく、病気をわかりやすく伝えるためにあえて書かせていただいております。ご理解いただけたら幸いです)

これをコロナに置き換えると、コロナに感染して、「肺炎」や持病の悪化を「発症」し、それぞれの症状が悪化して死亡します。そう。連日コロナで何人死んだという報道がなされていますが、これはコロナウイルスに感染し、肺炎を発症して、死に至るを省略しているんですね。しかし持病の悪化などもあるため一概に肺炎のみで死んだとは言えないのが難しいところですが、ほとんどの方が肺炎で亡くなっております。では次回、なぜコロナになると肺炎になるのか?をお話ししたいと思います。それではまた。

                      歯科医師 河合鮎樹

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